- 看護師になって半年たつけど仕事ができなくて辛い
- 1年目をどうやって乗り越えられるの?
- 奨学金もあるし1年目で辞められないよね。
新人看護師は、実習とちがい本格的に業務を行うことで想像以上に辛い思いをします。
しかし1年目で辞めると、次の就職が難しくなる場合があります。
私も看護師になって15年以上になりますが、今でも新人時代の辛かったことを思い出すことも・・・
そこで本記事では辛い新人時代を乗り越えた私が、新人看護師が辞めたい理由10個とその対処法を紹介します。
全て私の経験と実践をしたことなので、参考になればうれしいです。
結論から言うと、新人看護師が辞めたくなった時は一人で抱え込まず、相談できる人に相談しましょう。
辞めずに部署を異動して、生き生きと働いている看護師もいました。
ただし、辞めた方がいい病院も紹介するので、ぜひ最後まで読んでください。
新人看護師が辞めたくなる理由10個と対処法
日本看護協会のデータより2019年度の新人看護師の離職率は8.6%で、前年度より0.8%増加しています。
新人看護師は戦場のような仕事を目の当たりにして辞めたくなります。
以下が辞めたくなる主な理由は
ここからは、理由毎に対処法を紹介します。
該当する項目をクリックすると、ジャンプします。
理由1:プリセプターが怖くて辛い
- プリセプターに注意されたことは改善する
- 改善してもプリセプターの態度が変わらない時はプリセプターエイドに相談する
新人看護師にとってプリセプターは業務の指導だけでなく、新人看護師の相談役です。
しかしプリセプターがいつも怒っていて、怖い場合があります。
相談したくても相談できず一人で悩んでしまい、辞めたくなるので上記2点の対処が必要です。
プリセプターに注意されたことは改善する
プリセプティとしてできることは、プリセプターの指導を受け止めて改善することです。
プリセプターが考えていたプリセプティの成長と、現実が合っていないこともあります。
さらにプリセプター自身が他の先輩に「(プリセプティが)こんなこともできていないけど、ちゃんと指導した?」と責められてるかもしれません。
指導したことが改善していれば、プリセプターの態度が変わります。
改善してもプリセプターの態度が変わらない時はプリセプターエイドに相談する
プリセプティが努力してもプリセプターの態度が怖いままなら、プリセプターエイドに相談しましょう。
プリセプターが困った時の相談役がプリセプターエイドの役割です。
プリセプターエイドがプリセプターのフォローをすると、プリセプターの負担も軽減されます。
プリセプターとの関係で悩む時は、一人で抱え込まないようにしましょう。
理由2:職場の人間関係が合わない
- 無視したり理不尽に嫌味を言われる時は上司に相談する
看護師の職場は特有で、嫌いな看護師を無視したり理不尽に嫌味を言うこともあります。
社会人になりたての新人看護師には負担が大きく、職場の人間関係で辞めることも多いです。
辞める前には上記の対処を行いましょう。
無視したり理不尽に嫌味を言われる時は上司に相談する
新人看護師を無視したり理不尽な嫌味を言うのは、明らかに弱い者いじめになります。
上司に状況を説明して辞めたい気持ちもあることも伝えましょう。
上司は新人看護師に退職されると、自分の評価につながります。
上司から直接指導が入るか、その意地悪な先輩を他部署に異動させます。
実際に新人看護師に残業申請をさせないお局がいました。
そのお局は、新人看護師が配属されない部署へ異動となりました。
一人で我慢しないで、上司に相談しましょう。
理由3:患者さんの対応が難しい
- 患者さんの態度の理由を考える
- 他の先輩の対応を観察する
- プリセプターや先輩に相談する
実習の時は学生の受け持ちとして、対応しやすい患者さんを選んでいました。
しかし現場に入ると、中には対応に難しい患者さんがいます。患者さんの対応に悩んで辞めたくなるかもしれません。
しかし辞める前には上記3点の対処法をオススメします。
患者さんの態度の理由を考える
患者さんがイライラしたりすぐに怒ったりするには、何か理由があります。
病気に対して不安であれば人に当たってしまいます。
不安で怒りやすくなっているのであれば、患者さんの訴えを傾聴することも必要です。
一度しっかり話を傾聴すると、穏やかになる場合もありました。
他の先輩の対応を観察する
新人看護師には、対応の難しい患者さんは少しハードルが高いかもしれません。
まずは先輩の対応を観察してみましょう。
先輩は経験がある分、患者さんに上手く対応できます。その技術を盗みましょう。
プリセプターや先輩に相談する
対応が難しい患者さんは部署で共有する必要があります。
中には、無理な要求をする患者さんもいるので。
無理な要求する患者さんには、部署全体で統一した対応が必要です。
プリセプターや先輩に相談して、部署全体で対応を考えましょう。
一人で抱え込む必要はないですよ。
理由4:命を預かるプレッシャーが苦しい
- 受け持つ患者さんの疾患と処置の予習
- 細かいことでもリーダー看護師に相談
- 同期と気持ちを共有する
実習とちがい、重症な患者さんを受け持つこともあります。
自分の観察不足で患者さんの容態が変わることもあり、命を預かるプレッシャーで苦しいことがあります。
しかし看護師をする以上、避けられないことです。
まずは上記3点の対処法を実践しましょう。
受け持つ患者さんの疾患と処置の予習
命を預かるプレッシャーを少しでも減らすためには、技術と観察力を身につけましょう。
受け持つ患者さんの疾患と処置の予習は必要です。
未経験で苦手な処置は必ず先輩にチェックしてもらいましょう。
場数を踏み、技術力がつくと自信がつきます。
細かいことでもリーダー看護師に相談
あなたの報告で、異常が早期発見されることもあります。
少しでもおかしいと思ったら、すぐに報告しましょう。
どんな小さなことでも報告しリーダー看護師から指示を受けることで、報告する優先順位が分かります。
アンテナを立たせて観察力を磨けば、自信がつきます。
同期と気持ちを共有する
命を預かるプレッシャーは、一人で抱え込むと心が病みます。
新人看護師のプレッシャーは、同じ新人看護師で共有して気持ちを吐き出しましょう。
理由5:仕事のミスが重なる
- 仕事のミスの原因を分析する
- ミスした内容は復習する
- 自分用の手順書を作る
仕事のミスが重なることは新人看護師には避けられない試練です。
でも仕事のミスが続くと「自分は看護師が向いてない」と思ってしまうかもしれません。
辞める前に、上記の3点で対処しましょう。
仕事のミスの原因を分析する
仕事のミスの原因を考えてみます。
きっと確認不足が多いのではないでしょうか?
確認不足になったのか、理由を考える必要があります。
その理由がわかれば、同じミスを防げます。
仕事のミスは悩むより、原因を分析しましょう。
ミスした内容は復習する
ミスしたことは自分が苦手としていることもあります。
自分が苦手な手技は復習しましょう。これだけでも、同じミスを防げますよ。
自分用の手順書を作る
私は指導やミスをしたことはメモをして、メモ内容を別に手順書としてまとめました。
手順書としてまとめると、頭に定着もするのでオススメです。
自分用の手順書を作って、いつでも見れるようにポケットに入れましょう。
理由6:同期と比べて仕事ができない
- 過去の自分と比べる
- 同期と情報を共有する
一緒に配属された同期と比べてしまうのはよくあることです。
同期はすごくできる看護師だと、劣等感を感じてしまいますね。
しかし、同期と比べてもいいことはありません。
まずは2点の対処法を紹介します。
比べるのは過去の自分
6ヶ月前の自分はどうでしたか?
など過去の自分と比べると、できることは少しでも増えているはずです。
同期ではなく過去の自分と比べましょう。
できることが増えていると分かると、自信がつきますよ。
同期と情報を共有する
同期はライバルではないので、同期と協力しましょう。
お互い「今日はこんなことした」「こういうことを注意した方がいい」と情報共有して、一緒に成長しましょう。
私は同期といつもメールで、情報交換していました。
成長するスピードは人それぞれ違います。同期と比べる必要はありません。
理由7:患者さんの死に直面した
- プリセプターや先輩、同期に気持ちを聞いてもらう
- 泣きたい時は泣く
看護師をしている以上、避けられないのは患者さんの死。
患者さんの死に直面して辛くなり、辞めたくなるかもしれません。
辞める前に上記2点で対処しましょう。
プリセプターや先輩、同期に気持ちを聞いてもらう
特に受け持ち看護師として、患者さんと密に関わっていれば悲しみも大きくなります。
看護師も一人の人間ですから。
「患者の死にいちいち悲しむのはプロではない」と言う看護師も言います。
しかし患者さんの死を悲しんでもいいです。
患者さんの死を悲しめるのは、看護師として患者さんと向き合っていた証拠です。
ただし一人で辛い気持ちを抱え込まないでください。
まずはプリセプターや先輩、同期に気持ちを聞いてもらいましょう。
泣きたい時は泣く
院内に臨床心理士がいて、職員のメンタルフォローがあれば利用しましょう。
泣きたい時はしっかり泣いて、感情を吐き出すことが大事。
患者さんの死を悲しむ看護師は、患者さんに寄り添ったいい看護師になれます。
理由8:業務の忙しさ夜勤で身体が辛い
- 食事・睡眠・運動生活を整える
- 同期と気持ちを共有しストレスをためない
看護師は体は資本です。
辞める前に業務や夜勤に耐えられる体づくりから始めましょう。
食事・睡眠・運動で生活を整える
まず栄養バランスのいい食事をとりましょう。決して暴飲暴食はしてはいけません。
余計、体が疲れます。
夜勤が始まると、生活リズムが崩れます。
夜寝れる時は、睡眠はしっかりとって体調を整えましょう。
不規則な生活で夜眠れない時がある。
私も夜は眠れないときがありました。
そんな時は、以下の3点をするだけでも効果があります。
- 夜勤明けは寝過ぎない
- 休日はウォーキングやジョギングで軽い運動をする
- 休日に寝だめをしない
つい休日は1日の大半をゴロゴロしがちで、夜眠れないということがありました。
運動して体を疲れさすと、夜はぐっすり寝ます。
同期と気持ちを共有しストレスをためない
仕事が慣れない分、精神的な疲労がたまっています。
精神的な疲労は一人で抱え込まず、同期と愚痴を言って発散しましょう。
同期がいないときは、学生時代の同級生と連絡を取り合って近況報告するのもアリですよ。
理由9:休みが取りづらい
- 休みの希望を出す
- 理由を聞かれたら「私用です」と言う
新人看護師が休みの希望を取りづらい風習は今も残っています。
自分の好きな時に休めるのが、看護師の特権です。
休みを取りづらい時は、上記2点を試してください。
休みの希望を出す
新人でもベテランでも同じ労働者として、有給休暇や夏季休暇を取得する権利はあります。
病院によっては希望休は月◯日までと決まっているかもしれません。
その規則の範囲で新人看護師も休みの希望を取る権利はあります。
理由を聞かれたら「私用です」と言う
もし看護師長に理由を聞かれたら、「私用です」と言いましょう。
有給休暇の取得に理由は、必要ありません。有給休暇は労働者に与えられた正当な権利です。
参考URL)労働問題弁護士ナビ 有給休暇の取得理由は『私用』でOK|断られた時の対処法
プライベートまで聞く権利は看護師長にはありません。
理由10:看護師に向いていないと感じる
- 看護師の仕事はすぐにできる仕事ではないことを知っておく
- 誰もが失敗したり、怒られたりしていることを知っておく
先輩に怒られたり、仕事のミスが重なると「自分は看護師に向いていない」と思います。
看護師に向いていないと思ったら、上記2点を思い返しましょう。
看護師の仕事はすぐにできる仕事ではないことを知っておく
私も自分が看護師に向いていると、今でも思っていません。
看護師は技術を身につけられても、看護には答えはありません。
実際に私の周りでも、「自分は看護師に向いている」と言ってる人はいません。
「自分は看護師に向いていない」と思って辞める必要はないですよ。
誰もが失敗したり、怒られたりしていることを知っておく
今怒っている先輩も、必ず過去にたくさん失敗して怒られています。
私も新人時代は毎日、先輩に注意されていました。
今目の前にいる先輩たちも、同じように色んな失敗して怒られています。
あなただけじゃないから、大丈夫です。
新人看護師が辞めるデメリット
どうしても辛くて辞める場合もあります。しかしデメリットがあるので紹介します。
- 採用先で「また辞めるのでは?」と思われる
- 辞め癖がつく
採用先で「また辞めるのでは?」と思われる
1年以内の離職で再就職する時、採用先はまず「またすぐ辞めるかも」と思い採用をためらいます。
しかし、第二新卒を受け入れている病院もあります。
再就職する時は、採用先から「頑張ってくれそうだ」と思ってもらうことがポイントです。
そのためには、面接対策は重要となります。
面接ではネガティブが発言はさけ、この病院で頑張りたいことをアピールしましょう。
しかし病院の特性によってアピール方法がちがいます。
病院の内情をよく知っている転職エージェントのサポートを活用する方がいいです。
辞め癖がつく
一度退職すると退職のハードルが下がり、辞め癖がつきます。
転職を繰り返すと、採用先の印象が下がり再就職が難しくなります。
なぜ自分が辞めたのか理由を明確にして、次の転職先では同じ理由で辞めないようにすることがポイントです。
自分が今後どうしたいのか、紙に書き出して頭の中を整理しましょう。
半年でも辞めた方がいい病院もある
いくら1年以内の離職にデメリットがあっても、半年でも辞めた方がいい病院もあります。
- 聞いても仕事を教えてくれない
- 看護業務をさせてくれない
- 心身の不調がある
聞いても仕事を教えてくれない
聞いても仕事を教えてくれない場合、その病院には新人看護師の教育体制が整っていません。
「仕事は教えてもらうものではない。盗むもの。」と言っているお局看護師がいました。
それでは新人看護師は育ちません。
その病院で働く時間は無駄なので、すぐにでも辞めましょう。
看護業務をさせてくれない
看護師なのに看護業務をさせてくれない場合も、新人看護師の教育体制が整っていません。
もし仕事のミスが続いたとしても、看護業務を全くさせないのは教育ではありません。
以下の「パワーハラスメントの典型例とされた類型」の内、⑤の該当する可能性が高いです。
パワーハラスメントの典型例とされた類型
① 身体的な攻撃(暴行・傷害)
② 精神的な攻撃(脅迫・暴言等)
③ 人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
④ 過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害)
⑤ 過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
⑥ 個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)
看護師として成長するためにも、そのような病院は辞めましょう。
心身の不調がある
心身の不調がある場合は、受診して診断書を書いてもらい休職しましょう。
例えばこんな症状が続くときは要注意です。
- 気分が沈む、憂うつ
- 何をするのにも元気が出ない
- イライラする、怒りっぽい
- 理由もないのに、不安な気持ちになる
- 気持ちが落ち着かない
- 胸がどきどきする、息苦しい
- 何度も確かめないと気がすまない
- 周りに誰もいないのに、人の声が聞こえてくる
- 誰かが自分の悪口を言っている
- 何も食べたくない、食事がおいしくない
- なかなか寝つけない、熟睡できない
- 夜中に何度も目が覚める
引用元)厚生労働省みんなのメンタルヘルス
不調の時は正常な判断はできないので、退職の決断は避けてください。
退職せず健康保険に入っていれば、傷病手当金で給料の約2/3は支給されます。
復帰後に部署異動しても、同じように心身の不調があれば退職を検討しましょう。
自分に合う病院を探すことも一つの手段
新人看護師が辞めたくなる理由と対処法を紹介しました。
- 理由1:プリセプターが怖くて辛い
・プリセプターに注意されたことは改善する
・改善してもプリセプターの態度が変わらない時はプリセプターエイドに相談する - 理由2:職場の人間関係が合わない
・無視したり理不尽に嫌味を言われる時は上司に相談する - 理由3:患者さんの対応が難しい
・患者さんの態度の理由を考える
・他の先輩の対応を観察する
・プリセプターや先輩に相談する - 理由4:命を預かるプレッシャーが苦しい
・受け持つ患者さんの疾患と処置の予習
・細かいことでもリーダー看護師に相談
・同期と気持ちを共有する - 理由5:仕事のミスが重なる
・仕事のミスの原因を分析する
・ミスした内容は復習する
・自分用の手順を作る
- 理由6:同期と比べて仕事ができない
・過去の自分と比べる
・同期と情報を共有する - 理由7:患者さんの死に直面した
・プリセプターや先輩、同期に気持ちを聞いてもらう
・泣きたい時は泣く - 理由8:業務の忙しさ夜勤で身体が辛い
・食事 睡眠 運動で生活を整える
・同期と気持ちを共有しストレスをためない - 理由9:休みが取りづらい
・休みの希望を出す
・理由を聞かれたら「私用です」と言う - 理由10:看護師に向いていないと感じる
・看護師の仕事はすぐにできる仕事ではないことを知っておく
・誰もが失敗したり、怒られたりしていることを知っておく
入職してから、自分に合わない病院と分かるのはよくあることです。
新人看護師が退職する時に注意が必要なのは奨学金の返済
お礼奉公期間中に退職すると、奨学金の返済を全額求められる場合もあります。社会人になりたてでは預金は少ないので、全額返済は難しいです。
可能であれば、分割返済を交渉することも一つの方法です。
ただし、医療法人宝生会 PL病院(大阪)「奨学金返済資金貸付制度のご案内」のように奨学金の返済を肩代わりしてくれる病院もあります。
しかし第二新卒採用で奨学金の返済を肩代わりする病院の求人を、自力で見つけるのは難しいので転職エージェントの力を借りましょう。
自分に合う職場を見つけて、生き生きと働いている姿を想像してみてください。
限界を越える前に、まずは行動しましょう。
看護師の退職の流れはこちらを参照して下さい
楽しく働いて看護師として成長しましょう!
退職を伝えづらい、または引き止めがあって退職ができないときは、看護師の代わりに退職代行サービスが対応してくれます。
問い合わせは無料なので一度、相談してはいかがでしょうか?
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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