- 今の病院辞めたいけどお礼奉公期間中だから辞められない
- お礼奉公期間中に辞めると賠償金を払うの?
- 何とかお礼奉公期間中に辞められないかな・・・
看護師になるための学費を肩代わりをした病院で、決められた年数を働くのが「お礼奉公」。
学費が免除になるメリットはありますが、お礼奉公の期間は辞めたくても辞められないのがデメリットです。
お礼奉公期間中に辞める場合、病院から不当な要求も受けるかもしれません。
要求を鵜呑みにして、限界まで我慢して働く羽目になることも。
そこで本記事では、看護師歴17年の私がお礼奉公期間でも辞められる理由を紹介します。
最後まで読むと、お礼奉公期間に退職する注意点と対策が分かります。
結論から言うと、お礼奉公期間でも退職はできます。病院から賠償金の請求や、退職させてくれないのは違法となるからです。しかし奨学金の返済は必要です。
看護師がお礼奉公期間に辞める時の対策は以下の通りです。
- 契約書を確認して返済額を把握
- 親に相談してお金を借りる
- 奨学金を肩代わりしてくれる病院を探す
辞めたい一心で奨学金の返済のために、消費者金融などに借金することだけは止めましょう!
借金による金利が大きな負担となります。借金以外で奨学金を返済しましょう。
【すぐにでも辞めたい、辞めたいって言えない看護師向け】
おすすめの退職代行サービス3選
・退職代行Jobs:顧問弁護士が監修で安心。退職代行利用者への無料カウンセリング特典付き!
・退職代行サービスSARABA:24,000円で経済的。労働組合の実行で安心!
・弁護士法人みやび:法律の専門家がトラブルに対応!
看護師のお礼奉公期間でも辞められる理由
お礼奉公期間で辞められないと思う理由は、
- 賠償金を請求される
- お礼奉公期間中は退職できないと言われている
- 奨学金を返せない
主に上記3点ではないでしょうか。
しかしお礼奉公期間でも退職はできるので、理由を解説します。
賠償金の請求は違法
お礼奉公期間の退職で、病院が看護師に賠償金を請求するは違法です。
労働基準法で、使用者(病院)は違約金を定めたり、損害賠償額を予定する契約をしてはいけないと定められています。
労働基準法(賠償予定の禁止)
第十六条 使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。
引用元)e-Gov法令検索 労働基準法
労働者の責任で損害が発生していない場合、管理者から違約金や損害賠償を求められても、労働者は払う義務はありません。
違約金や損害賠償を求められたら、労働基準監督署に相談しましょう。
お礼奉公期間中に退職できないは違法
お礼奉公期間中に退職できないと主張するのは、違法行為です。
労働基準法では、労働契約を3年超える期間については契約してはいけないと言われています。(ただし例外はあります。)
また民法628条では当事者が雇用の期間を定めたとしても、やむを得ない理由があれば直ちに契約の解除ができます。
労働基準法(契約期間等)
第十四条 労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、三年(次の各号のいずれかに該当する労働契約にあつては、五年)を超える期間について締結してはならない。
引用元)e-Gov法令検索 労働基準法
民法(やむを得ない事由による雇用の解除)第六百二十八条
当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。
引用元)e-Gov法令検索 民法
どうしても退職させてくれない場合は、労働基準監督署に相談しましょう。
奨学金を返済すれば辞められる
お礼奉公期間中に職場を辞める場合は奨学金の返済は必要です。
お礼奉公期間中に退職する中で、1番の問題は奨学金の返済です。
病院は奨学金の返済を求める権利はあります。
ベストなのは、奨学金を全額返せるぐらいのお金を用意することです。
しかし若手看護師には、全額返済する貯金はないかもしれません。
奨学金の問題は、次の項で解説します。
- お礼奉公は違法?
- 「実はお礼奉公って違法じゃないの?」と言われることがあります。
憲法第22条の職業選択の自由に違反しているという意見もあります。
しかしお礼奉公がある病院を選んだのは自分自身になるので、憲法違反になりません。
奨学金返済も賠償金ではなく、自分が借りたお金なので労働基準法第16条(賠償予定の禁止)には当てはまりません。
例えば、東京都福祉保健局のホームページに「看護師等修学資金貸与事業」があります。
自治体でお礼奉公を推進しているので、法律違反ではないですね。
看護師がお礼奉公期間に辞める時の対策
- 契約書を確認
- 親に相談しお金を借りる
- 奨学金を肩代わりしてくれる病院を探す
お礼奉公期間に退職することはできますが、奨学金の返済は必要です。
全額で払える預金があればいいですが、若手看護師にはまとまった預金がないかもしれません。
まずは上記3点の対策を解説します。
契約書を確認
まずは契約書の内容で「お礼奉公期間中に退職する際の返済方法」について確認しましょう。
- 全額返済なのか
- 働いた期間分の減額はあるか
- 返済方法は一括返済か分割返済か
病院によって色んなパターンがあります。
一般的なのが、働いた期間分は返済額が減るパターンです。
ただし、返済方法は一括の場合が多いです。
・病院から出る奨学金は、その後その期間勤務するのが条件ですから、できない場合の一括返済は当然かもしれません。
・卒業後、三年間は奨学金を受けた病院で働かないと一括返済しなければならないことが条件で、契約書にも印鑑を押したので何とか三年間は働きましたよ。
引用元)看護師お悩み相談 奨学金を全額一括で返す?! 正看護師の学校に通うため借りたのです
しかし、下記のように労働監督署に相談すれば、分割返済にしてくれる事例もありました。
看護師2年目です。
私も、奨学金を借りていた病院が合わず、早々と退職しました。
私の場合、退職を決めた時点で、150万近く、奨学金の借入れ額があったので、労働基準監督署に相談し、労働基準監督署を通じて、一括返済を15回の分割返済にしてもらうよう、病院に交渉してもらいました。
一括返済しなければ、退職できないシステムは、労働基準法上、大きな問題があるのです。
労働基準監督署の方でも、看護師の奨学金返済やお礼奉公について、これまで何件も相談があったそうです。一度、主さんの勤務先を管轄している労働基準監督署に相談してみては、いかがでしょうか?
引用元)看護師お悩み相談 お礼奉公中の転職
返済方法に関して記載がない場合は、分割返済してもらえるように交渉しましょう。
一括返済が不可能であれば、労働基準監督署に相談するのも一つの方法です。
自治体の奨学金であれば、同じ自治体内の指定する病院の転職であれば返済不要になることもあります。
各自治体の要項を確認するか、問い合わせをしましょう。
親に相談してお金を借りる
苦しい状況を我慢し続けるぐらいなら、親に相談しましょう。
余程なことがない限り、自分の子供が苦しんでいると助けてくれます。
親に対して申し訳ない思いがあるかもしれませんが、自分の心身を守るためにも親に相談してお金を借りることも一つの方法です。
転職して親に返済するという形になれば、病院にしばられる必要はないです。
奨学金を肩代わりしてくれる病院を探す
親からお金を借りるのが難しい場合は、奨学金を肩代わりしてくれる病院に転職も一つの方法。
例えば、PL病院 奨学金返済資金貸付制度のご案内 のように、「入職した時点で奨学金の返済が終わっていない方」を対象にしている病院もあります。
しかし奨学金がなくなったわけではありません。
肩代わりした病院でも契約に応じて働く必要があります。
- 何年お礼奉公が必要か
- いつ肩代わりしてくれるのか
- 貸付期間中に退職した場合の返済額と返済方法
主に上記3点は確認しましょう。
しかし、奨学金を肩代わりしてくれる病院の求人を自分で見つけるのは難しいです。
転職エージェントであれば非公開求人もあるので、転職エージェントの力を借りた方がいいです。
自分の代わりに奨学金の条件などを確認してくれます。
注意!!
辞めたい一心で奨学金の返済のために、消費者金融などに借金することだけは止めましょう!
借金による金利が大きな負担となります。借金以外で奨学金を返済しましょう。
看護師がお礼奉公期間中に妊娠しても問題はない
看護師がお礼奉公期間中に妊娠しても問題はありません。
妊娠は奨学金返済免除資格がなくなったり、奨学金の返済を早められるなどの理由にはなりません。
勤める職場の規定や誓約書を確認する必要はありますが、以下の内容が一般的です。
- 産休と育休は取れる
- 復帰後にお礼奉公期間が再開する
産休や育休期間をお礼奉公期間とカウントするかは規定によります。
しかし病院としては看護師として働いてもらうことが目的でお金を出しているため、産休・育休はお礼奉公期間にカウントするのは可能性は低いです。
中には産休は在職年数に数えてお礼奉公期間とし、育休は数えない病院もあります。
» Yahoo! JAPAN知恵袋 看護師のお礼奉公について質問です。(外部サイト)
勤めている職場の規定や誓約書の内容はしっかり確認した方がいいですね。
看護師がお礼奉公期間でも辞めた方がいいケース
- 仕事を教えてくれない
- いじめやパワハラがある
お礼奉公期間は辞めない方が1番穏便に済みます。
しかし上記2点のように辞めた方がいいケースもあります。
仕事を教えてくれない
新人看護師を教育する体制が整っていない病院は、仕事を教えてくれないことが多いです。
30年以上のベテラン看護師はよく、「仕事は教えてもらうんじゃなくて盗むもの」と豪語していることも。
教育体制が整っていない病院では、看護師は成長しません。看護師になって3年間はとても大事な時期です。
色んなことをスポンジのように吸収する時期だからです。
そのような病院に貴重な3年間を費やしてはいけません。
いじめやパワハラがある
いじめやパワハラがある病院は、早く辞めましょう。
いじめやパワハラを我慢しては、自分の心身が壊れます。
心身が壊れると、十分に働けるまで時間がかかります。
以下のパワーハラスメントの典型例とされた類型に該当すれば、奨学金以前の問題です。
労働基準監督署に相談しましょう。
パワーハラスメントの典型例とされた類型
① 身体的な攻撃(暴行・傷害)
② 精神的な攻撃(脅迫・暴言等)
③ 人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
④ 過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害)
⑤ 過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
⑥ 個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)
引用元)仕事を与えない、通称、“干す”行為はパワハラか?
もし、いじめやパワハラでうつ病など精神疾患になってしまったら働けません。
働けないと奨学金の返却は困難です。いじめやパワハラが原因で精神疾患になって働けない場合の奨学金返済は、労働基準監督署や弁護士を交えて相談した方がいいです。
一人で解決しようとせず、第三者の力を借りましょう。
看護師はお礼奉公期間でも我慢のしすぎはダメ!辞めて自由を手に入れよう
お礼奉公期間で辞められないと思う理由と対策は以下の通りです。
- 賠償金を請求される
→労働基準法では違法となるので労働基準監督署に相談 - お礼奉公期間中は退職できないと言われている
→労働基準法や民法では違法になるので労働基準監督署に相談 - 奨学金を返せない
→契約書を確認
→親に相談しお金を借りる
→奨学金を肩代わりしてくれる病院を探す 借金はしない!
仕事を教えてくれなかったり、いじめやパワハラがある病院は辞めた方がいいです。
自分の身を守らなければいけません。心身を病む前に退職しましょう。
奨学金の返済は求められますが、賠償金は払う必要はありません。我慢のしすぎと借金はしないで、新たな職場で生き生きと働きませんか?
まずは行動して、楽しく看護師として成長しましょう!
看護師の退職の流れはこちらを参照して下さい
退職を伝えづらい、または引き止めがあって退職ができないときは、看護師の代わりに退職代行サービスが対応してくれます。
問い合わせは無料なので一度、相談してはいかがでしょうか?
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
コメント