- 退職したいけど、いつ言えばいいの?
- 退職しやすい時期ってあるの?
- 退職しやすい時期まで我慢するべき?もう限界なんだけど・・
今の職場を退職するためには、退職の意思を伝える必要があります。
でも「退職したい」と、いつ言えばいいのか悩むところ。
タイミングを間違えると、退職を引き止められるだけでなく、損をして退職してしまうかもしれません。
私は17年病院で勤務をして、数々の退職者を見送りました。
さらに、実際にクラウドソーシングで「退職する何日前に伝えたか」30人の看護師にアンケート調査を行いました。
そこで、現場視点とアンケート調査をもとに、本記事では退職を伝えるベストな時期を紹介します。
最後まで読むと、病院側にとってベストな時期と自分側にとってベストな時期の両方が分かります。
退職の意思を伝えるのは、退職日の1〜3ヶ月前と就業規則に掲げているところが多いです。
原則、就業規則に従いましょう。
退職日は、病院側は人事異動がある3月の退職が都合がいいです。
しかし、6〜7月や12月にボーナスをもらって退職すると、金銭的に余裕を持って少しゆっくりできます。
自分にとってベストな時期を選ぶ方法も一つの方法です。
退職の意思は就業規則で決まった時期に従う(ベストは3〜6ヶ月前)
ほとんどの職場では退職の意思を伝える時期は、就業規則で決まっています。
私の病院では、「退職日の1ヶ月前に退職の意思を伝える」と就業規則で記載されています。
しかし実際に、退職日の1ヶ月前に伝えると看護師長は、
来月に辞めるって、来月の夜勤人数足りないわよ!
と心の中で叫ぶでしょう。もしくは、面と向かって大声を出すかもしれません・・・
シフト制の看護師が、1ヶ月前に退職を伝えると勤務は混乱します。
「退職日の3ヶ月前」と決めている病院もあります。
そこで、クラウドソーシングで「退職する何日前に伝えたか」を30人の看護師にアンケート調査を行いました。
- 質問: 退職する何日前に誰に伝えましたか?(調査人数:30人)
- 1ヶ月前:4人
2ヶ月前:2人
3ヶ月前:10人
4ヶ月前:1人
5ヶ月前:1人
6ヶ月前:11人
9ヶ月前:1人
<看護師退職ステップ|nurse-lifestep 調査>
最短では退職日の1ヶ月前で、最長では退職日の9ヶ月前でした。一番多いのは6ヶ月で、次に多いのは3ヶ月前です。
4ヶ月以上に伝えた方は、就業規則より早く伝えています。
周囲に気をつかうことで、早めに退職の意思を伝えていることが分かりました。
退職の意思を伝える時期をしている病院もある
病院によっては、時期を指定している場合もあります。
例えば
【今年度末に退職する場合は、10月に退職の意思を伝える】
【来年度の募集は8月に行うため、4月に退職の意思を伝える】
などです。
まずは、就業規則の確認をしましょう。
周囲に聞いてもわからない、聞きづらい時は事務局に確認すると確実です。
病院は3月に辞めてくれると都合がいい
就業規則を守っても、退職する時期が病院にとって不都合な時期があります。
実際に、3月に退職すると円満退職しやすいです。
なぜなら、多くの退職者にまぎれると同時に、人事異動の時期で周囲への影響が少ないからです。
しかし、退職する自分は本当に3月退職でいいのでしょうか?少しでも退職金を増やしたい場合は、3月退職も一つの方法です。
病院の事情は一旦置いといて、自分はどうしたいのか考えてみましょう。
次は、退職の狙い目を紹介します。
退職の狙い目は6〜7月か12月
退職の狙い目は6〜7月か12月です。
理由は
- ボーナスがもらえる
- 求人が増える時期
今まで頑張ってきたのだから、しっかりボーナスは受け取りましょう。
3月退職となると、「いっそ夏のボーナスまで」と思いズルズルと退職のタイミングを逃してしまうかもしれません。
ボーナスをもらったら、スッと去りましょう。
個人差がありますが、私は12月末が退職の狙い目と考えました。
理由は
- 年末調整をしているので、基本的に確定申告は不要
(ただし、給与以外に20万以上の収入あるなど例外あり) - 年末年始はゆっくりできる(シフト勤務では絶対無理)
- 1〜2月は4月入職に向けての求人が増えるので、転職先に幅ができる
ただし、注意事項もあります。
- 転職まで期間があるときは、健康保険や年金の手続きが必要
- 年内に転職しない場合は、確定申告をしないと払い過ぎた税金が返ってこない
①②の対策→退職後の社会保険や年金の手続きはコチラをご参照ください - 夏季休暇や年末年始休暇で辞めづらい時期である
③の対策→労働者の退職は拒否できないので、確固たる退職の意思を伝えましょう - 委員会や看護研究担当であれば辞めづらい
④の対策→10月異動で年度途中に担当が変わることはよくあります
引き継ぎだけしっかり準備しましょう - ボーナスをもらって辞めることに対して、嫌味を言われる可能性が大
⑤の対策→ 嫌味言われても、右から左に受け流しましょう!
嫌味言われるの怖いな・・・
少々強引ですが、所詮お別れする職場です。
辞める決断した人を妬む看護師もいます。
嫌味や文句を言う人は相手にせず、スルーしましょう!
最速で退職した(逃げた)方がいいケース
周囲のことを考えている場合じゃないケースもあります。
以下のケースの場合は、自分自身を守るためにも最速で退職しましょう(逃げましょう)。
- いじめやパワハラの改善がない
- 残業代が出ない
- 超過勤務が過労死ラインを超えている
いじめやパワハラの改善がない
いじめやパワハラを受けて、上司などに相談しても改善がなければ我慢する必要はありません。
そんな環境で我慢すると、精神疾患にかかり元の状態に戻れなくなります。
自分自身を守るためにも、最速で退職しましょう。労働基準監督署に相談して、一人で抱え込まないようにしてください。
退職を拒否された場合も、労働基準監督署に相談しましょう。
以下がパワーハラスメントの典型例とされた類型です。
パワーハラスメントの典型例とされた類型
① 身体的な攻撃(暴行・傷害)
② 精神的な攻撃(脅迫・暴言等)
③ 人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
④ 過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害)
⑤ 過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
⑥ 個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)
引用元)仕事を与えない、通称、“干す”行為はパワハラか?
残業代が出ない
残業代がなくサービス残業が日常的になっている職場は辞めましょう。
あなたの貴重な時間を、無償で捧げる必要はありません。
無償労働している時間を、自分や家族のために使いましょう。
みんなが我慢しているからと言って、自分も我慢する必要はないです。
残業時間が過労死ラインを超えている
残業時間が過労死ラインを超えてくれば、脳や心疾患を発症する危険性が高いです。
過労死ラインは80時間
現在の労働行政では、一応、過労死ラインは80時間(月に20日出勤とすると、1日4時間以上の残業・12時間労働)とされています。これは、健康障害の発症2~6ヶ月間で平均80時間を超える時間外労働をしている場合、健康障害と長時間労働の因果関係を認めやすいという目安です。
引用元)労働問題弁護士ナビ 過労死ラインは80時間|労働時間の減らし方と労災認定の基準
実際にこんな事例もありました。
東京都済生会中央病院(東京都港区) で2007年5月、宿直明けに意識不明になり、死亡した看護師について、三田労働基準監督署(同区) が過労死として労災認定していたことが分かった。認定は10月9日付。
引用元)京都府保険医協会 宿直明けに倒れた24歳看護師、過労死認定/労基署、残業月100時間
自分が辞めることで、残された人にもっと負担がかかると考えるかもしれません。
しかし、過労死してからでは遅いです。自分の命を守るのは自分だけです。
過労死ラインの残業を改善しない職場は管理に問題があるので、早期に退職することを勧めます。
心身の不調があれば、まずは休職制度を使おう
心身の不調がある場合は、病気休暇や休職制度を活用しましょう。
給与をもらって生活を補償した上で、療養してから退職の決断をしましょう。
しっかり休んで回復すると、正常な判断ができます。
休職制度や傷病手当金の詳細についてはコチラをご参照ください。
【現場視点】あなたがいなくても組織は回る
今回は退職の意思を伝えるベストな時期を紹介しました。
- 退職の意思は就業規則を守って伝える(ベストは3〜6ヶ月前)
- 3月退職は多くの退職者にまぎれると同時に、人事異動時期で周囲への影響が少ない。
- ボーナスがもらえ求人が増える6〜7月か12月は退職の狙い目
- 「いじめやパワハラの改善がない」「残業代が出ない」「残業時間が過労死ラインを超えている」ケースは最速で退職した方がいい
自分が辞めると、残っている人が大変になる。辞めにくい・・・
看護師は常に人手不足と言われ、自分が辞めることで周囲に迷惑をかけると思うかもしれません。
しかし、私は15年以上病院勤務して、色んな退職者をみてきました。中には突然、姿を消して、後日退職した職員もいます。
勤務交代など多少の混乱がありましたが、結局は普段の日常に戻っています。
『なんだかんだ言っても、自分が辞めても組織は回るんだな。』と実感しました。
決して、あなたが組織に不要な職員というわけではありません。
しかし、誰かが辞めても組織は回るようにでき上がっているのも現実です。
賛否両論はありますが、自分の良いタイミングで退職して、次の新天地で自分らしく働きましょう!
看護師の退職の流れはこちらを参照して下さい
退職を伝えづらい、または引き止めがあって退職ができないときは、看護師の代わりに退職代行サービスが対応してくれます。
問い合わせは無料なので一度、相談してはいかがでしょうか?
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
コメント